ミドルウェア

時刻補正 (NTP)クライアントの開発

時間設定を不要に

時計を内蔵している機器を導入した際に最初に行われる操作は、必ずといって良いほど時刻設定となるでしょう。
NTP(Network Time Protocol)は、この時刻設定を自動的に行うためのプロトコルです。
NTPクライアント・ソフトウェアは、ネットワーク上に用意されたNTP サーバと通信して、組み込み機器の内蔵時 計が保持している時刻のずれを自動的に修正します。

分散システムの正常な動作のために

分散して配置された機器が、時計を利用して連携動作するようなシステムにおいて、時刻設定の正確を維持することは、システム全体の正常な動作のために不可欠な要素です。

例えば、次のような特徴を持つシステムです。

  • タイムスタンプを利用して、データの新旧を判定するような処理
  • 予め定められたスケジュールで、何らかのアクションを開始するシステム

つないで、すぐに使える機器のために

今後、家電製品を含めて、様々な機器がネットワークに接続するようになると予想されます。

身近な例では、どんなに便利な録画予約機能でも、時計が正確な時刻を指していなければ意図した動作はしません。

  • 対象機器をネットワークに接続し、電源を入れるだけで利用可能になります。
  • 停電などの原因により、内蔵時計の情報が失われる問題に対する有効な対策となります。

参照RFC:RFC958、1059、1119、1305

動作環境

本ソフトウェア部品の動作については、対象機器がRTC(内蔵時計)を搭載していて、ソフトウェアから日付・時刻設定が行えることが条件となります。

NTP サーバは本製品には含まれていませんので、別途利用可能にしておく必要があります。
一般に公開されているNTP サーバも存在しますが、放送局の時報音声、電波時計(通信総合研究所内http://jjy.crl.go.jp/)、GPS(位置方位測定システム)の受信電波に含まれる時刻情報を利用する製品を導入するなどして、独自のNTP サーバを用意することができます。

基本的に、BSD TCP/IP ソケット・インターフェイスが利用できれば、動作・移植することは可能です。 多くの場合、日付設定API 部分の変更で対応できます。 現在、サポートしているOS としてはeCos 、μ ITRON があります。 その他のOS への対応については、弊社までお気軽にお問い合わせください。

なお、オークのソフトウェア部品には、全て、製品ソースコードが付属します。

制御用インターフェース

コマンドライン・インターフェイス(※1)とプログラミング・インターフェイスの両方から、同期操作を開始することが可能です。

どちらの場合も、NTP サーバのIP アドレスを引数として起動します。設定インターフェイスを用意するか、予め用意したNTP サーバに固定して利用することになります。 対象機器が要求する精度に応じて、周期(実行頻度)や使用するNTP サーバの種類(stratum)を決定します。

実際には、タイマーなどを利用して、定期的に同期操作を実行する必要があります。

※1:ソフトウェア部品「高機能シェル・インターフェイス」を使用

関連製品

高機能シェル・インターフェイス

BSDcsh と似たスクリプト実行機能を持つコマンドライン・インターフェイスです。
電源投入時の初期設定、組み込み用各種サーバ制御等に御利用いただけます。

各製品は独立した製品となっております。詳細については、お気軽にお問い合わせください。

※ eCos は米国RedHat、 Inc の米国及び、各国における登録商標です。

御社のご希望に基づきカスタマイズなども可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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